英語長文の"王道"問題集「やっておきたい英語長文」シリーズを徹底解説!

更新日時: 2025年8月17日 10:21

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大学受験の英語学習において、多くの受験生が一度は手に取るであろう「やっておきたい英語長文」シリーズ。河合塾から出版されているこのシリーズは、その質の高い問題と丁寧な解説で、長年にわたり受験生の英語力向上に貢献してきました。

本記事では、シリーズの中でも特に利用者が多い「300」「500」「700」「1000」の4冊に焦点を当て、それぞれのレベル、特徴、そして効果的な使い方を徹底的に解説します。自分のレベルに合った一冊を見つけ、志望校合格への確かな一歩を踏み出しましょう。


シリーズ共通の特徴:なぜ「やっておきたい」は選ばれるのか?

各レベルの詳細に入る前に、まずはシリーズ全体に共通する魅力をご紹介します。


レベル別徹底解説:あなたに最適な一冊は?

1. やっておきたい英語長文300:長文読解の「はじめの一歩」

対象レベル

共通テスト基礎~中堅私大(日東駒専レベル)

語数

200~400語

問題数

30題

偏差値目安

45~55

特徴とターゲット

「やっておきたい英語長文300」は、**「これから英語長文の演習を本格的に始める」**という受験生に最適な一冊です。単語や文法の基礎を固め終え、いざ長文問題へ、という段階でつまずかないための橋渡し的な役割を果たします。

収録されている英文は比較的短く、内容も理解しやすいものが中心です。設問も基本的な内容を問うものが多く、長文問題に慣れるためのトレーニングとして最適です。解説では、問題を解く上での考え方や着眼点が丁寧に説明されており、長文読解の基礎的なアプローチを学ぶことができます。

効果的な使い方

  1. まずは時間を計らずに解く: 最初は時間内に解き終わらなくても構いません。一文一文の構造を意識しながら、正確に内容を把握することに集中しましょう。
  2. じっくり解説を読み込む: なぜその答えになるのか、根拠を本文中から見つける練習をします。分からなかった単語や文法事項は必ず復習し、知識の穴を埋めていきましょう。
  3. 音読で総仕上げ: 解説を読んで完全に内容を理解したら、付属の音声を活用して何度も音読を繰り返します。スラスラと意味を理解しながら読めるようになるまで続けることで、速読力とリスニング力の基礎が築かれます。

2. やっておきたい英語長文500:入試標準レベルを固める「中心的存在」

対象レベル

共通テスト~GMARCH・関関同立・地方国公立大学

語数

400~600語

問題数

20題

偏差値目安

55~60

特徴とターゲット

「500」は、多くの受験生にとって志望校レベルに対応するための**「主戦力」**となる一冊です。国公立二次試験や私立大学入試で標準的に出題されるレベルの長文が収録されています。

300よりも語数が増え、文章の構造やテーマも複雑になりますが、良質な問題が多く、確かな実力養成が期待できます。選択式だけでなく記述式の問題もバランス良く含まれており、国公立志望者にも私立志望者にもおすすめです。このレベルの長文を安定して時間内に読みこなし、設問に答えられるようになれば、大きな自信につながります。

効果的な使い方

  1. 時間を意識して解く: このレベルからは、制限時間を設けて解く練習を取り入れましょう。入試本番での時間配分を意識する良いトレーニングになります。
  2. 解答の根拠を明確にする: 選択肢問題では、「なぜ他の選択肢は違うのか」まで説明できるようにしましょう。記述問題では、解答の要素を本文中から過不足なく抜き出す練習を重ねます。
  3. パラグラフリーディングを意識する: 各段落の要旨(トピックセンテンス)を掴みながら読み進めることで、文章全体の論理展開を素早く把握する練習をしましょう。巻末の要約も参考に、自分でも要約を作成してみるのがおすすめです。

3. やっておきたい英語長文700:難関大合格をぐっと引き寄せる「実力完成」

対象レベル

難関国公立大学(旧帝大など)・早慶上智レベル

語数

600~800語

問題数

15題

偏差値目安

60~65

特徴とターゲット

「700」は、難関大学を目指す受験生向けのハイレベルな問題集です。語彙レベルや文構造の複雑さが格段に上がり、テーマも抽象的で専門的なものが多くなります。

このレベルに取り組む前提として、高度な単語力と精緻な英文解釈力が不可欠です。解説も、基本的な文法事項は理解していることを前提に進められるため、基礎が固まっていないと消化不良になる可能性があります。しかし、ここに収録されている長文を読みこなせれば、大抵の大学の入試問題には対応できる実力が身につくでしょう。

効果的な使い方

  1. 背景知識も活用する: 環境問題、グローバル化、高齢化社会など、頻出のテーマに関する背景知識があると、文章の理解がスムーズになります。日頃からニュースや新聞などで社会的なテーマに触れておくと良いでしょう。
  2. 論理的な思考力を鍛える: 筆者の主張は何か、具体例は何のために挙げられているのかなど、文章の論理構成を深く分析しながら読み進めることが重要です。
  3. 要約を積極的に活用する: 100字の要約だけでなく、各段落の要約を自分で作成してみるなど、より能動的な学習が効果的です。要約力は、東京大学などで出題される要約問題の対策にも直結します。

4. やっておきたい英語長文1000:最難関大を突破する「最後の砦」

対象レベル

最難関国公立大学・早慶(特にSFC・文学部など)

語数

900~1600語

問題数

10題

偏差値目安

65以上

特徴とターゲット

シリーズ最難関の「1000」は、超長文が出題される大学・学部を志望する受験生のための、いわば「最終兵器」です。1000語を超える長文を読み解くための体力と集中力を養うことを目的としています。

慶應義塾大学のSFCや文学部など、特に長い英文読解が求められる入試を想定しています。単に長いだけでなく、内容も非常に高度で、まさに最難関レベルです。この一冊をやり遂げる頃には、入試本番でどんなに長い英文が出てきても動じない精神力と読解力が身についているはずです。

効果的な使い方

  1. 時間配分と体力維持: 長い文章を最後まで集中して読み切るトレーニングです。時間を計り、途中で集中力が途切れないようにする工夫が必要です。
  2. 情報処理能力を磨く: 長大な文章の中から、設問で問われている情報を素早く正確に見つけ出す「スキャニング」の技術が重要になります。
  3. 過去問演習との連携: このレベルの問題集は、志望校の過去問演習と並行して進めるのが効果的です。過去問で見つかった課題を、「1000」で補強していくという使い方をおすすめします。

まとめ

「やっておきたい英語長文」シリーズは、自分のレベルと目標に応じて適切な一冊を選び、正しい方法で取り組むことで、英語長文の得点力を飛躍的に向上させることができる優れた問題集です。

レベル

こんな人におすすめ!

300

英語長文の勉強をこれから始める人、長文に苦手意識がある人

500

共通テストやGMARCH・関関同立レベルの長文で安定して得点したい人

700

旧帝大や早慶上智などの難関大学を目指す人

1000

慶應SFCなど、超長文が出題される最難関大学・学部を目指す人

どのレベルから始めるべきか迷ったら、まずは一つ下のレベルのものを完璧に仕上げることから始めましょう。焦らず、一冊一冊を丁寧にこなし、着実にステップアップしていくことが、志望校合格への一番の近道です。この記事を参考に、あなたにぴったりの一冊を見つけ、英語を得点源にしてください。

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